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ちょっとマニアックな成分のお話し


◆いまさら聞けない、コラーゲン、ヒアルロン酸って何?

化粧品の成分で一番よく耳にするのが「コラーゲン」や「ヒアルロン酸」という名称ではないでしょうか?

これらの成分がなぜ化粧品によく配合されているのか、ご存知ですか?

コラーゲンとヒアルロン酸はもともと肌に存在する成分です。この2つは、肌弾力を支えるために欠かせないものなんです。

大雑把にいうと、肌は下図のように表皮と真皮に分かれています。

この真皮の部分を構成する組織としてコラーゲンとヒアルロン酸が存在しています。真皮層で、肌の弾力を支える役割を担っているのです。

コラーゲン繊維がネット状に張り巡らされて、肌の弾力を支え、ヒアルロン酸はそれを支える壁のような役割をしています。さらに、コラーゲン繊維を束ねる役割としてエラスチンという成分もあります。

この網の目のように張り巡らされたコラーゲン繊維が弾力を失うと、お肌はたるみ、シワができてきます

肌の老化にとても大きな影響を与える組織なんです。

ただ、化粧品の効果効能を謳ってよい範囲に真皮層は含まれません。効果を謳える範囲は皮膚の一番上にある「角質層」までです。

コラーゲン、ヒアルロン酸などを配合していても、肌の真皮層に影響を及ぼすような表現は一切できませんので、化粧品の効果としては単なる保湿成分として示されます。

お肌をプルプルにしてくれるイメージのコラーゲンですが、実際は皮膚の下で私たちをたるみから守ってくれている大黒柱のような存在なんですね。

こういった肌の構造から、お肌のハリと弾力を保つのに欠かせないものとして多くの化粧品に配合されるようになったのです。

◆エイジングケア成分あれこれ

化粧品が効果効能を謳えるのは角質層までとお話ししましたが、同じような理由で多くのエイジングケア成分が単なる「保湿成分」として表記されています。

化粧品の成分の進歩は目覚ましく、次々と新しいものが出てきますが、それらの多くが肌を老化から守るのが目的でつくられた「エイジングケア成分」です。

ここでは代表的なエイジングケア成分についてざっくりと説明します。

●ビタミンC誘導体

美肌のために欠かせない成分として挙げられるのがまずビタミンC誘導体です。代表的なのは美白効果ですが、それにとどまらず、シワやニキビにも効果があり、非常に万能な成分と言えます。ビタミンCは非常に酸化しやすく、酸化してしまうと効果がなくなってしまいますので、安定的に肌に届けるために「誘導体」として作られています。お肌に届いた後にビタミンCに変わるように出来ているのです。効果が高いだけにビタミンC誘導体類の成分は非常にたくさんありますが、最近効果が高いと注目されているものとしてVCIPやVCエチル、APPSといった成分があります。

●コエンザイムQ10

コエンザイムQ10(ユビキノン)は体内のエネルギー生産に関わる補酵素で、細胞内でのエネルギー生産全般に関わっています。肌だけではなく人体の生命活動全般にかかわる成分となります。また、エネルギーを作るだけではなく強い抗酸化作用があることも特徴です。

●アスタキサンチン

赤い化粧品ブランドに配合されている成分として有名ですが、アスタキサンチン自体も実際に赤い色素を持った成分です。シャケやイクラを赤くしているのもこのアスタキサンチンの力です。アスタキサンチンは様々な成分の中でも特に強い抗酸化力を持っているのが特徴です。

●プラセンタ

プラセンタとは「胎盤」という意味です。胎盤は赤ちゃんを育てるための栄養供給源ですので、生き物に必要なあらゆる栄養が詰まっています。アミノ酸やビタミン、ミネラルをはじめとして、単一成分としてはなかなか摂取できない核酸などの成分も含まれているので、効率的に多くの成分を接種できるエイジングケア成分と言えます。最近では動物性を忌避する人のために植物性プラセンタも登場しています。

●幹細胞エキス

幹細胞とは、決まった役割を持たず、どのような細胞にもなれる万能細胞のことです。ノーベル賞を受賞した山中教授のiPS細胞も幹細胞の一種です。まだまだ研究途上の先端成分ですが、化粧品ではリンゴ幹細胞エキス等があります。植物と人間では幹細胞も全く異なりますので、幹細胞そのものの役割は期待できませんが、紫外線からの細胞保護や抗シワ効果があるといわれています。

●EGF

EGFとは上皮成長因子(Epidermal Growth Factor)の略称で、化粧品ではヒトオリゴペプチド-1という成分名で表記されます。EGFは、53個のアミノ酸からからなるタンパク質で、細胞の成長促進効果などがあるといわれています。こちらも発見したスタンリー・コーエン博士がノーベル賞を受賞しています。

●フラーレン

ダイヤモンドのように炭素のみで構成されるとても小さな物質で、非常につよい抗酸化力があるのが特徴です。活性酸素を除去することで、肌を老化から守るというのが主な役割です。

またまたこちらも、フラーレンを発見したクロトー博士がノーベル賞を受賞しています。化粧品ってノーベル賞大好きですね。

長々と書きましたが、要はどの成分も「肌を老化から守りますよ~」という謳いのものです。肌の老化とはシミやシワ、たるみ等ですね。

これら老化の原因もほとんどが真皮層や肌の奥で行われる細胞生成にかかわる事なので、もちろん化粧品では訴求できません。

実際に原料自体では効果を証明するエビデンスがありますが、それを配合した化粧品では効果効能を訴求することはできないのです。

成分は化粧品を選ぶ上で欠かせない要素だと思います。ただ、化粧品によってエイジングケア成分の配合量は様々で、実際に効果がある量入っているかどうかは判断できません。

成分だけで判断するよりも、まず大切なのは使用感と肌へのやさしさです。

それらの条件をクリアしたうえで、自分の気になる成分や良いと思える成分が配合されている商品を選ぶのがおすすめです。

また、多くのエイジングケア成分の説明で「抗酸化作用」というワードが出てきましたが、肌の老化にかかわる「酸化」については、長くなりそうなので、またの機会に詳しく説明できればと思います。

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